ソフトウェアテストブログ

システムテストの観点表を作るときに陥りがちなミスと対策

システムテストの観点表を作るときに陥りがちなミスと対策

2025年04月10日 10:34

こんにちは!
ソフトウェアテストに関わる皆さんは、テスト設計前の観点表を作成するときに「これで大丈夫かな?」と不安に思ったことはありませんか?

システムテストの観点表は、テストの品質を左右する重要なドキュメントです。しかし、作成の際にはいくつかの落とし穴があり、ミスすると抜け漏れや非効率なテスト設計になってしまいます。
そこで、「観点表作成時に陥りがちなミスとその対策」をまとめました!

1.重要な観点の抜け漏れ

▼ありがちなミス▼

◎基本機能のテストばかりで、非機能要件(性能・セキュリティなど)を忘れてしまう。
◎異常系や境界値テストの観点が不足し、エラー処理が十分に確認できない。
◎実際の業務フローを考慮せず、ユーザー目線でのテストが抜ける。

▼対策▼

◎ 機能要件・非機能要件の両方をチェックリスト化!
◎ CRUD(Create, Read, Update, Delete)視点やユースケース視点を取り入れる。
◎ 過去の障害事例を参考にし、見落としを防ぐ。

2.テスト観点の粒度が適切でない

▼ありがちなミス▼

◎「ログイン機能のテスト」など、大まかすぎて具体的なテストケースに落とし込めない。
◎逆に、「半角英字だけのパスワード入力」「半角数字だけのパスワード入力」など細かすぎて、管理が煩雑になる。

▼対策▼

◎機能単位 + 代表的なテストパターンで適切な粒度にする。
◎大分類・小分類を設定し、整理しやすくする。

3.テスト観点の分類がバラバラ

▼ありがちなミス▼

◎テストの分類が統一されておらず、必要な観点を見つけにくい。
◎「ログイン処理」「認証」「認可」など、類似した概念の名前がバラバラで混乱する。

▼対策▼

◎「機能テスト」「性能テスト」「セキュリティテスト」など、カテゴリーを明確に分類。
◎ルールを統一し、表現の一貫性を持たせる。

4.要件とのトレーサビリティが取れていない

▼ありがちなミス▼

◎どの要件を検証する観点なのか不明確で、変更時に影響範囲がわからない。
◎要件変更があったときに、どの観点を修正すべきかわからなくなる。

▼対策▼

◎観点ごとに対応する要件(仕様書の該当箇所)を明記する。
◎要件変更時に観点表を見直すルールを決める。

5.曖昧な表現でテストがしづらい

▼ありがちなミス▼

◎「適切に処理される」「正しく動作する」など、何をもってOKとするのか分からない。
◎テストケースに落とし込みにくい記述になっている。

▼対策▼

◎観点ごとに具体的な期待結果を明記する。
◎「正常系」「異常系」「境界値」などを意識して整理する。

6.レビュー不足でミスを見落とす

▼ありがちなミス▼

◎個人で観点表を作成し、他の視点が入っていない。
◎業務担当者や開発者とのすり合わせ不足により、誤った理解で作成してしまう。

▼対策▼

◎QA、開発、業務担当など複数人でレビューを実施。
◎観点の抜け漏れをチェックリストで確認する。

7.観点表の更新を怠る

▼ありがちなミス▼

◎過去のプロジェクトの観点表をそのまま使い回し、最新の仕様と合っていない。
◎テスト実行後の知見が反映されず、同じミスを繰り返してしまう。

▼対策▼

◎定期的に観点表を最新の仕様にアップデート!
◎テスト実施後のフィードバックを記録し、次回に活かす。

8.まとめ

観点表を作る際に陥りやすいミスとして、

  • 観点の抜け漏れ

  • 粒度の不適切さ

  • 分類の不明確さ

  • 要件との紐付け不足

  • 曖昧な表現

  • レビュー不足

  • 更新の怠り

などがあります。
これらを防ぐために、

  1. 網羅的にチェックする

  2. 適切な粒度に整理する

  3. 明確な分類と一貫した表現を使う

  4. トレーサビリティを確保する

  5. 定期的にレビュー&更新する

といった工夫が重要です。

テンプレートを使って観点表を作成する際も、
これらを意識すればテストの品質もグッと向上します!
ぜひ参考にしてみてくださいね。🚀